ページタイトル呼吸器内科

担当医師
  • 冨田 桂公 診療部長
  • 酒井 浩光 内科医長
  • 唐下 泰一 医師
医師紹介
冨田桂公
  • 冨田 桂公 【各専門医の資格認定状況】
  • 卒業大学 ・ 鳥取大学(鳥取大学大学院)
  • 卒業年次 ・ S62.3(H4.3)
  • 学会活動、資格 ・ 日本呼吸器学会 呼吸器専門医 ・ 日本アレルギー学会 日本アレルギー学会専門医・指導医
  • 略歴 ・ H12.9 鳥取大学医学部 ・ H13.4 鳥取大学医学部附属病院 ・ H17.5 博愛病院 ・ H19.4 近畿大学医学部附属病院
(1)概要・特色 米子医療センターは元々、国立米子療養所(結核療養所)として長年の間、鳥取県西部地区の呼吸器疾患専門病院として評価を頂いてきました。平成6年よりは、結核隔離病床が一般病床となり、結核患者の入院はできなくなっていますが、外来にて、結核患者の診断は行っています。これまで蓄積された英知を活かして、呼吸器疾患全般について外来診察、入院加療しています。
(2)認定施設 日本呼吸器学会認定施設 日本アレルギー学会認定教育施設
(3)診療内容 1)肺炎 高齢者人口比率の増加とともに、肺炎、特に誤嚥性肺炎による入院患者は増加しています。肺炎による死亡順位は、最近の優れた抗生剤の出現にかかわらず、この数十年間第四位で変化がありません。それは高齢者の肺炎の死亡率が高いからとされています。高齢者、とくに75歳以上の後期高齢者の肺炎の特徴として、①肺炎症状が乏しく、症状が非定型的であるため診断・治療が遅れること、②すでに他の病気(糖尿病や心疾患など)に罹っている人が多いので、肺炎が急速に重症化すること、③原因として気付かない誤嚥性肺炎が多いことが挙げられます。微熱程度の発熱、食欲がない、いつもより元気がない等の症状がありましたら、受診ください。 肺炎の予防として、肺炎の原因の3分の1を占める肺炎球菌ワクチン接種は効果があります。高齢者(65歳以上が適応)の方にお勧めします。また、冬のインフルエンザ(ウィルス)も、肺炎を起こす原因となりますので、インフルエンザ・ワクチンによる予防接種が必要です。 トピックスとして、平成28年の夏~冬にかけて、小児~若年者のマイコプラズマ肺炎が流行しました。例年まで効果のあった飲み薬、点滴が効きにくいという特徴がありました。高齢者だけではなく、若年者でも肺炎が隠れていることがありますので、発熱が続く、咳が強い場合には受診ください。2)肺がん 肺がんは、男性で、死亡原因が1位、女性でも2位となり、日本人のがん死亡における割合が高いがんです。肺がんは約85%を占める「非小細胞肺がん」と残り15%を占める「小細胞肺がん」に分類されます。「非小細胞肺がん」をさらに組織型で分けた場合、「腺がん(腺癌)」「扁平上皮がん(扁平上皮癌)」「大細胞がん(大細胞癌)」に大別されています。肺がんの発生した部位、進行形式と速度、患者さんの健康状態(活動性)により、治療を選択します。初期であれば手術により完治を目指すことができますが、手術が困難な状態ですと、放射線治療や抗がん剤治療となります。 喫煙者が肺がんになる危険性は、吸わない人の10倍以上とされています。とくに扁平上皮がんは、喫煙との関係が深いといわれています。1日の平均喫煙本数と喫煙を続けた年数を掛け合わせた数値を喫煙指数と呼び、この値が600以上の人は危険性が高いです。自覚症状が現れた後に発見された肺がんは進行しているケースが多く、手術可能と判断される患者は、一般的に全体の20~30%にとどまるとされています。そのために症状のないときからの定期的な検診を受けることをお勧めします。 肺癌が疑われる場合、最初に胸部のレントゲン検査およびCT検査を行います。次に癌かどうか、あるいはどのタイプの肺癌かを顕微鏡で調べる(組織診)ため、肺から細胞を集めます。通常は気管支鏡検査を行います。この検査は外来でもできますが、当科では患者さんの苦痛を除くために静脈麻酔を使い、安全のため一泊二日の入院で行っています。さらに平成28年7月から気管支鏡と超音波を組み合わせた超音波気管支鏡ガイド下生検(EBUS)を導入し、これまで困難だった部位のがん組織を確実に採取できるようになりました。 気管支鏡による組織診の後には、がん病巣の拡がりぐあいで病気の進行(ステージ)を決定しますので、胸腹部のCT、脳のMRI、骨シンチグラフィ(ラジオアイソトープを使った全身の骨のレントゲン検査)を行います。必要時には、大学病院にてPET-CTを受けて頂きます。 肺がんの治療法としては主に4種類のものがあります。外科療法、放射線療法、抗癌剤や分子標的薬による化学療法、緩和療法です。当科では、肺がんの化学療法や化学療法と放射線の併用療法においては、最新の知見を元にした標準的治療を施行しております。また、肺がんで積極的な治療を望まれない場合、痛みを取り除くだけではなく、心のケアも行う緩和医療を実践しています。3)慢性咳嗽(がいそう) 慢性咳嗽とは、4週間以上咳が続くことを一般的にいいますが、当院では他院にて咳の加療を受けたがよくならない患者さんが受診されます。原因の多くは、① 感染後咳嗽(がいそう)、② 後鼻漏(こうびろう)、③ 胃酸逆流です。感染後咳嗽は、発熱や咽頭痛などの風邪症状の後に、咳が残ることをいいます。また、後鼻漏とは、鼻炎・副鼻腔炎に伴い、鼻汁がのどの奥に垂れ込んできて、そのため、咳が生じることをいいます。さらに、胃酸逆流とは、逆流性食道炎があり、胃酸が刺激となり生じる咳をいいます。それぞれ症状・身体所見に特徴がありますので、受診してご相談ください。4)気管支ぜんそく・慢性閉塞性肺疾患(COPD) 成人のぜんそくは、小児喘息を元にして生じていると思われていますが、実は、成人のぜんそくの内、20%が小児喘息を元にして生じており、残りは平均40歳台に初めて生じています。症状の特徴は、夜間、早朝の気温の低下したときに咳、息切れ、ぜん鳴(めい)を生じることです。ぜんそくは、空気の通り道がむくみ、気道径がせまくなる病気ですので、病院にて呼吸機能を用いて、空気の通り道の広がりを評価することで診断できます。 慢性閉塞性肺疾患(COPD; シーオーピーディー)は、長年の喫煙が肺に悪影響を及ぼし、階段等を昇ったときに息切れを生じる病気です。60歳前後から何らかの自覚することが多く、禁煙しない場合は、年々、息切れがひどくなり、100m歩くこと息切れが生じ、さらに、服を着替えるときに息切れが生じ、患者さんによっては在宅酸素療法が必要となる病気です。早くこの病気を見つけ、禁煙することで進行を止めることができます。この病気も気道径が狭くなる病気ですので、呼吸機能検査をすれば、診断することができます。5)睡眠時無呼吸症候群 「睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome)」は、眠っている間に呼吸が止まる(「無呼吸」、もしくは、呼吸が浅くなる(「低呼吸」)病気です。Sleep Apnea Syndromeの頭文字をとって、「SAS(サス)」とも言われます。医学的には、10秒以上の口、鼻の気流停止(気道の空気の流れが止まった状態)を「無呼吸」とし、また、換気量(空気を1回に吸い込む量)が50%以上低下することを「低呼吸」として、睡眠中1時間あたりにこの「無呼吸」と「低呼吸」を加えた回数(無呼吸・低呼吸指数、AHI)が5回以上あり、昼間に眠たいという症状(過眠)がある場合に「睡眠時無呼吸症候群」と診断されます。 寝ている間に症状が生じますので、患者ご本人の自覚が乏しいのが特徴です。睡眠を共にされた配偶者、家人より、「(大きな)いびきをかく」。「いびきが止まり、大きな呼吸とともに再びいびきをかきはじめる」。「呼吸が止まる」ことでみつかることが多いです。たまに、患者ご本人が「睡眠中に息苦しさを感じて目がさめた」との自覚症状があります。また、夜間の睡眠深度が浅いために、「運転中・会議中に眠くなる」という症状もあります。そのほか、朝の血圧が高く、降圧薬では効果が足りない患者さんの中にこの病気が隠れています。これらの患者さんは、受診ください。体重測定、少顎の有無、のどの状態を検査した後、簡易検査(鼻と指にセンサーをつけて、気流が体の中の酸素の状態を調べます)の機械をご自宅に持って帰って頂き、夜間の無呼吸状態を調べます。必要時に応じて、入院して頂き、夜間本当に眠れているかの脳波検査も含めた検査(終夜ポリソムノグラフィー)を行います。 閉塞性睡眠時無呼吸と診断されましたら、鼻マスクによります陽圧換気(nCPAP)を夜間つけて頂く治療が始まります。 心臓の悪い患者さん、脳に障害がある患者さんの中には、いびきをかかないタイプの睡眠時無呼吸症候群があります。「中枢性睡眠時無呼吸症候群」があります。ご心配の場合は、受診ください。6)その他 肺結核(診断のみ)、非定型抗酸菌症、慢性気管支炎、びまん性汎細気管支炎、気管支拡張症、間質性肺炎、などの呼吸器疾患全般を診察しています。